テープLEDの増幅器について

DC12VテープLED用のコントローラーを選んでいると、よく似た形をした
「増幅器」という機器もラインナップに並んでいることがあります。



増幅器は、5mを超えるテープLEDをさらに長く連結して通路などに設置したり
何本にも分岐して大規模な照明を作りたいときなどに必要となります。

ここでは、増幅器の役割とその主な使い方、注意点などを説明します。
このページは、主にDC12V製品の基本ラインナップを組み合わせて
5m以上を点灯する場合の使用方法を説明しています。
Super流れる・NeoPixelなど動きのあるテープLEDやDC5V製品などには
同じ使い方が当てはまらない場合があります
のでご注意ください。
増幅器の役割 増幅器の使い方

増幅器の役割

増幅器は、その名のとおり入力信号を増幅する装置です。
コントローラーからの点灯信号を受け取る入力端子と
その信号を増幅するための追加電源の入力端子を持ち、
充分な定格をもつ新たな点灯信号を出力端子から送り出します。
増幅器は、テープLEDに充分な電力を供給するために必要となります。
配線が複雑になってくると、たとえ大きな電源を用意して正しく接続したとしても
回路のすみずみまで電力が均等に行き渡らないケースが出てきます。

次節では、実際に増幅器が必要となってくる代表的な使い方と
もし使わなかったときに起こりうる現象を説明していきます。
増幅器が必要な場面で使わずに接続してもたいてい動作しますが、
正常点灯しているように見えて常に負担がかかっている状態となります。
そのまま使い続けていると様々な問題が起こる可能性がありますので、
配線を工夫する際には常に定格値と増幅器を考慮に入れてください

逆に、増幅器が要らない場面であえて使用しても特に問題はありません。
以降の使用例と同じような構成で定格値の計算がわからない場合や、
接続は正しいはずなのに想定した光り方をしてくれないという場合は、
「念のために増幅器を入れる」という使い方もありかと思います
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増幅器の使い方

(1) 5mを超えるテープLEDをさらに延長

増幅器を使う場面としてはこれが一番ポピュラーかと思います。
5mを超えるテープLEDにはたいてい延長用の出力端子が付いていますので、
これを増幅器で連結して追加の電源を供給すればさらに延長することができます。
(下図ではACアダプター2台で分担していますが、配線が届くなら大きな電源1台でもOKです)
増幅器なしでも普通に連結できて、実際に点灯もしますが、
そのときに起こりうる症状を下図に示します。
連結先が暗いのはともかく、手前のテープLEDまでも暗くなります
コネクタの定格電流値は最長テープ1本分の電流値を目安としているので、
それ以上を要求されても希望どおりに電流が流れず頭打ちになっていき
手前のテープLEDのぶんの電流まで奥に取られて全体が暗くなります。
テープLEDの種類によってはケーブルが異常に熱くなることもあります

テープ1本でもコネクタがほんのり温かくなることはありますが、
2本連結して明らかに熱くなってしまう場合は増幅器をご使用ください。


(2) 5mを超えるテープLEDを分岐

延長に比べて、割と気付きにくいケースです。
各種の分岐ケーブルにも入力の定格値がありますので、
出力端子側の電流値の合計がこれを超える場合には
それぞれの出口で待ち構えるように増幅器を入れる必要があります。
増幅器なしで連結した場合の症状を、同様に図示します。
延長のときと比べて目に見える変化が現れにくいですが、
合計の負荷に応じて全体が暗くなり、コネクタも熱くなっていきます。

よくある勘違いとして、入力側に増幅器を入れても効果がありません
分岐ケーブルを通り抜けた出口側で信号を増幅する必要があります。


(3) コントローラーの定格電力を強化

やや特殊なケースですが、「コントローラーの力不足を補う」という用途もあります。
人感センサーやタッチ式コントローラーなど繊細なセンサーを持つ機器は
定格電力が低めになっているため、どうしてもこれらを大きく使いたい場合は
増幅器によって定格電流を肩代わりさせるという使い方もありでしょう。 増幅器なしで直接駆動した場合の症状は、下図のようになります。
コントローラーを流れる電流が定格を超えるといずれ故障します
「電源を入れてしばらくするとコントロールできなくなる」という場合
この状況がよく見られますので、定格値などをご確認ください。

コントローラーの定格値は充分なのに似たような症状が出る場合は
単純に電源の容量不足で不安定になっていることもありますので、
念のため電源のほうも一緒にご確認ください。



以上、増幅器の主な使い方をひととおり説明してきましたが、
構成が複雑になってくるとこれらの図とは異なる配線も多々あると思います。
その場合は大きな構成を「延長」「分岐」「定格の強化」という観点で分割し
それぞれの箇所に落ち着いて増幅器を適用していってください。
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